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メモ帳

ただのメモです

半年過ぎて。

また今年も100冊の目標は達成できなさそうだ。でも、重たいずっしりした本を読むことについては、とりあえず一つ達成。
去年ダニエル・キイスが亡くなったこともあり、アルジャーノンを再読したりしていたけれど、今年に入って長すぎて途中で読むのを挫折していた「24人のビリー・ミリガン」を読み切った。
大きく分けて治療編、過去編、裁判編みたいな構成だった。過去編あたりまで来た所からは、物語の全容が見えてきて面白く、その後まで一気に読み切れた。
折しもあの酒鬼薔薇事件を起こした少年Aの書いた手記「絶歌」の出版が問題となった頃で、ビリー・ミリガンもその病の真偽は別とするとしても、レイプ事件を起こしたということは事実であり、その記録を本として出版し収入を得ることに対し批判の声が上がったことは想像に難くない。
しかし、たとえ本人が更生あるいは寛解し再び社会に出たとしても、噂というのは怖いもので、たとえ名前を変えても「あの人は実は…」と素性がばれてしまい、雇ってもらえない事もあるかもしれない。実際、村上春樹「約束された場所で」では、アレフ(元オウム)の信者たちは素性がばれてクビにされ、結局何とか自分たちでお店を経営するしかないという証言をした人も居た。しかも警察が付きまとって積極的に周りの人間に言いふらしたとの事だった。それでは、路頭に迷ってしまうし、食うにも困れば逆にそれが別の犯罪に繋がることもあるのではないだろうか。
ビリー・ミリガンも新聞や議員からのネガティヴ・キャンペーンにより、せっかく統合しかけた人格がまたバラバラになってしまったりしている。そして結局、懸念されていた通りの危険な行動を取ってしまう。
こんな同情的な意見を書いてしまうのは、ビリー・ミリガンの事件は過去の別の国の話だから、実際の事件については身近に感じないし、語り手の調子にほだされているのかもしれない。

去年はガルシア・マルケスも亡くなったけれど、「予告された殺人の記録」を途中で止めてから、まだ一冊も読み切っていない。