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メモ帳

ただのメモです

ツインピークスは近親相姦の物語だが、ドラマ版はユーモアとオカルトでそれを巧みに隠している。
映画版は、それをむき出しにして描いたからあんなに暗く救いようがない内容になってしまったのだろう。
パーマー親子だけでなく、ベンとオードリー親子も近親相姦が起こりそうになる。オードリーは仮面を付けている上、未遂に終わったが。

親は子を愛するけれど、歪んだ愛情を持ってしまったが為に、最終的には子どもを殺してしまう。ボブという存在をどう捉えるかによって、この物語におけるリーランドという人間に対する解釈は全く違うものになる。
ローラを殺したのは、自分がローラを襲った事がばれたからで、テレサを殺したのだって秘密を知られて強請られそうになったからだった。それは、人の理解を超えた理由ではなく、極めて人間らしい動機と云える。
ボブが単に人の悪の面を表しているだけに過ぎず、それはリーランド自身の裏の顔であるとするなら、好色もローラを愛するあまり襲ったこともリーランド自身の罪ではないのか。
逆に、ボブがリーランド自身から生まれたものではなく、確かに存在し、リーランドの身体を使って全ての罪を犯したなら、リーランドはただの被害者であったと云える。
親が狂って子を殺したと考えるよりは、救いようがある…と云えるのかもしれない。最期にクーパーに導いてもらい光の中へ入っていく演出は感動的だ。
映画でもローラの死後に天使が現れ、ローラは笑顔を見せて泣く。見ようによってはローラとリーランド親子は死ぬことでボブから解放され、救われたのだと解釈できる。
起きてしまった事件だけを見るとあまりに悲惨な為、最後に両者にせめてもの救いを与えるのは、ツインピークスという世界の創造者=リンチの優しさなのかもしれない。